モザンビーク島 サン・セバスチャン砦

 

 1991年に世界遺産に認定されたモザンビーク島には,16世紀に入植したポルトガル人の手によって建造された要塞,聖堂,宮殿等の建造物が遺っています。残存する建造物の中でも,島の北東部に位置し,1558年から1620年にかけて建造されたサン・セバスチャン砦(高さ12m,幅780m)は,サブ・サハラ・アフリカの植民地時代の建造物として重要な価値を有します。この砦は石灰岩と木製の梁によって造られ,窓や扉には美しい装飾が施されているが,植生によって大きな被害を受けており,劣化の危機に晒されています。

 日本政府は, 2004年からUNESCOに対し1.1百万ドル(約1億円)を拠出し,①技術的調査(建築専門家による各種技術的資料等作成)②劣化防止措置(遺跡を蝕んでいる植生の除去)③保存修復作業(サン・セバスチャン教会等建造物の補修)④考古学的調査⑤作業員トレーニング⑥記録作成⑦環境整備⑧広報冊子作成等を行いました。

 その結果,サン・セバスチャン砦の危機的な状況は改善され,今後,モザンビーク共和国にとって非常に重要な観光資源として活用されることが期待されています。その一方で,2008年のサイクロンで被害を受けた砦の外壁の基盤工事や,砦内の文献調査センターの建設等が今後予定されており,更なる継続的な支援が必要とされています。

 モザンビーク島は,16世紀に,日本にキリスト教を広めたイエズス会宣教師,フランシスコ・ザビエルや天正遣欧使節も滞在したことがあり,日本ともゆかりの深い島です。日本のUNESCOを通じた支援に関しては,モザンビーク共和国政府関係者,モザンビーク島の政府関係者や住民の方からも大きな感謝の意が表明されています。

 


砦の特徴である雨水集水システムも修復された。住民も砦の水を利用
 

日本の支援に感謝するマタタ・モザンビーク島市長